first impression を説明するって難しい。それをきちんと説明するには、充分な意識的態度が必要とされる。説明できないとき、いい加減に見過ごしてきた罪を思い知らされる。
それと、ある対象に対して執着することはその対象に対する正常な(対等な)態度が維持できない、という趣旨の文章を読んだことがあるんだけど、そんなことを思い出した。
「生きた形態は、塑像として見えるためには深い影を必要とする。影がなくては、それは平板な幻影にすぎない」
Carl Gustav Jung (1875〜1961)
スイスの心理学者、Car
Gustav Jung (カール・グスタフ・ユング)はチューリッヒ大学で精神医学をおさめ、のちに精神分裂病研究で著名になる Eugen
Bleuler (オイゲン・ブロイラー)のスタッフになってその指導をうけた。Sigmund Freud (ジークムント・フロイト)の考えに共鳴し、国際精神分析学会の創設に貢献してその初代会長となるが、1913
年に学説の相違が表面化して決別。自ら分析心理学(ユング心理学とも呼ばれる)を作り上げ、思想面で文学や芸術に大きな影響を与える。日本には河合隼雄によって広く紹介された。
Jung は自らの心理学の中で、ある人が否定したり拒否したりして受け容れがたいとする傾向のすべてをその人の「影」と名付けている。ここで述べられている影はその意味における比喩として受けとるべきもので、一面的な態度や意識を戒めるだけでなく、一般的に否定的なものにその意義を見いだしている。自分の中にある「影」を、拒絶するでもなく迎合するでもない態度、を考えさせられる。 |