見えない樹の下で
シルエットの女が
切り絵のように
さみしげにすわっている
もう昼下がりだろうか
みなもには無音の木霊と
砂漠のような光がちらついている
言うべき言葉は もはや
用意されているはずもなかった
遠く 聞こえてくる思い出は
話したことのない小学生の昼休み
窓に飾られた白いシーツは
赤く汚れる心配もなく
静かな白黒のインテリアのように
そこにあるものを包み込んだまま
いつまでも子どもでいることに
文句を言わないでいてくれる
静かな風景、
浸食することない思い出。