HIVER 冬はなんだか、切ない季節ですね。
空気がシンと静かになって、
今まで見えなかったものが
見えてしまうからでしょうか。

太陽がその灯りを落として
景色が闇に息を潜ませると、
ないはずの思い出が
形をなさぬままあふれでて、
頬を凍えさせます。

あなたは覚えているでしょうか。
わたしがこの世に生を受けた
あの時代を、その刹那を。
しばらく忘れていた
ジンとするような暖かな思いが、
こんな問いをさせているのでしょうか。

記憶にはない個人史が
羽毛のような景色に照らし出されて、
ひとり静かに
これからのことを考えています。